命懸けのショー

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心臓が飛び出るかのように大きく鳴っている 『あれ』は俺に気づいていないらしくギラギラと輝く歯を剥き出しにしてゆったりと大きな足音を響かせながら歩行している 出来れば気づいては欲しくない だが俺はルーサーだ 覚悟を決めて俺は頭にかけるように着けていたゴーグルを装着して首にかけている『あれ』をおびき寄せるハーモニカのような特殊な音を発する楽器を軽く吹く 『あれ』は音に引き付けられたように飛び出た大きな目をぐるぐる回転させている 視点が俺の方へとむくと獲物を見つけたかのように全身をこっちに向け四足歩行で走り出す ビルの三階くらいの高さはあるだろう巨体とは思えない速度で 俺は素早くマシーンのハンドルを握りアクセルを全開にしてマシーンを反転させ轟音とともに走り出す 命懸けのショーの始まりだ
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