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しばらく騒いでると町のようなものが見えてきた。町は黒い建物ばかりだが暗くはなかった。 「ねぇあの町にいくの?」 「いいえマスター、僕達は白の町に行きます」 「なぁ何の話してるんだ?」不思議そうに悠斗は呟いた。それを聞いてびっくりしたように遥香は町を指差しながら言った。 「そこにある町の事だよ」 「何言ってるんだよ、町なんてないだろ」 「え…だってそこにあるよ、ロイは見えてるよね?」 「はい僕は見えてます、ただマスターが見えてその人が見えないのは『白』かどうかだと思います。」 「じゃあ私は『黒』なの?」 「いえ…きっとマスターはこのゲームの鍵です」 そんな話をしているうちにさっきの町とは反対に白い建物が並んでいる町が見えてきた。ロイは段々と高度を下げて町の入口に二人を降ろした。 「とりあえず中に行きましょう」 ふよふよ浮かびながら町の入口に向かっていると遥香の耳には怒鳴り声が聞こえてきた。驚いて振り向いた遥香の目に映ったのはクラスメートが切られているところだった。 「お前がやったんだろ!早く戻せよ!」 怒鳴られているのは教室でもいつもゲームをやっている男の子、安藤だった。怒鳴っている方がキレたのかいきなり安藤に切り付けた。 「お前は死なないだろ!」 「違う、僕じゃない!」 「危ない!」 遥香が叫んだ瞬間安藤の体に剣が深々と刺さっていた。
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