0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっ―」
遥香が掠れた声を漏らした時には
パリン――
驚くほど軽い音とともに体が消えた。安藤を切った男、中山はそれを見ずに遥香の元に向かってきた。
(逃げなきゃ…)
そう思い後ろに跳ぼうとしたが体が動かなかった。
「なんで体が動かないか教えてやるよ」
低い声で呟いた中山は笑っていた。遥香が見ると剣の周りを電気が這い纏わっていた。
(こいつの特殊能力はスタン効果!)
「考えてる事は正解だよ、本当は今すぐ殺しとくんだけどね」
そう言うと動けない遥香を抱え上げた。
(嫌っ…離して!)
遥香は目線だけ悠斗に向けたが悠斗は焦った目をしながらも体が動かないみたいだった。そんな時遥香の目に黒い風が映った。
「あぁ残念、王子様が来ちゃった」
最初のコメントを投稿しよう!