この想いをあなたへ…

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『………』 『あれっ?真奈美ちゃん。ごめんね間違えちゃった』 苦笑いで謝る心愛。一方の真奈美は何も返さない。 真奈美とは中学が一緒の同級生で現在のクラスメイトだ。 中学の時も三年間クラスが一緒だったが会話を交わしたのは数回。お世辞にも仲が良いとは言えない相手だった。 だが、心愛は平等派なので明るく話しかける。 『真奈美ちゃん確か茶道部だよね?他の人はみんな帰っちゃったけど、部室に何か用?』 毛先を綺麗に切り揃えた黒髪ショートの岸本は落ち着いた雰囲気を纏い茶道をするにはピッタリの女性だ。 普段は明るく喜怒哀楽の表現は豊かなので、男子はおろか女子からの人気も高い。 子どもっぽい心愛にとっては憧れそのものだ。 『…真奈美ちゃん?』 質問をするが返ってくる気配がなく名前を呼ぶ。 『大丈夫?具合が悪いなら保健室に行く?』 パシッ 保健室に連れていこうと手を伸ばした心愛の手を思い切り振り払った 『っ!真奈美ちゃん…?どうしたの?』 『……る…よ………』 『え…?』
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