◆禁忌

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「んー、やっぱ無理か」 「はぁっ……」 そう言って彼は顔をやっと上げた。 痺れるような感覚から開放される。 荒い息を整えて額から垂れる汗を拭い去る。 深呼吸……深呼吸。 「強情」 「そう簡単にイキたくないもん!」 まぁ頭は真っ白になりかけたけど、ギリギリセーフのラインで止めたし大丈夫。 呆気なく一人でイクなんて絶対嫌だもん。 「……あっ!」 と無駄な説明をしているときにそっと蕾の入り口に指を侵入させ始めた、彼。 何の前触れもないからまた変な高い声が出る。 最初は控えめに侵入していた指も後半になると大胆に押し進められる。 「んっ!あっ……痛っ……」 まだ数回しか入れられたことのないソコは彼の指を拒む。 でも、どんどん突き進んでいくから中から出てきそうなほど気持ち悪い。 同時に涙が溢れてくる。 ある程度進んで指を曲げられているのが分かった。 やっぱり気持ち悪い。 「すぐ見つけてやるから」 「ふっ……んっ!くっ……あっ……」 ぼろぼろと零れる涙を彼は優しく舌で掬ってくれる。 これはいつもと同じ。 この作業のときだけはいつも僕のことを本気で心配してくれる だから痛いのも我慢できるし、この後にくる快感を本気で受け取ることができる。 「んやぁぁぁぁぁ!!!」 ある一点を彼の指が的確に触れたとき体が弓なりに反った。 喉が壊れるほどの悲鳴を上げて、身を捩る。 萎えていた僕の自身が一気に強度を増した。
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