◆禁忌

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section2... 「んっ……」 起きたら、目の前に彼の顔があった。 勿論すぐに目が合った。 恥ずかしい。 あんな行為をした後だからまともに顔も見れない。 「おはよう、知念。可愛かったよ」 耳元で低い声で言われれば変な気持ちになる。 悪態もつけないし。 わざと俯く。 「おはよ……」 それだけ言って彼に背を向ける 直ぐに彼の腕の中に納まる。 暖かい。 猫みたいに小さくまとまって静かに目を閉じる。 「それより質問って何?」 「あぁ、それは……」 「何で今日優しかったかだろ?説教されたわけさ」 とちょっと切なそうな声で答えてくれた、彼。 やっぱ質問簡単過ぎたよね。 でも聞きたかったもん、突然優しくなった理由。 「誰に?」 「裕翔くん」 裕翔くんに説教されてる彼もまた格別に面白いだろうなぁ。 と思ったけど、それより嬉しかった。 ちゃんとそれを実行してくれた彼の行動が。 多分今顔がにやけてる。 「好きな人とヤるなら優しくしなきゃダメでしょ!!ってね」 「今までで一番気持ちよかった」 とちょっと微笑んで言えば 「俺も」 と言って強く抱きしめてくれた 暖かくてふわふわする僕だけの空間。 ここにいると安心しちゃうの。
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