◆禁忌

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「んっ……ふぅっ…!!」 息が続かなくて、彼の洋服の端を引っ張る。 すると最後にリップノイズを立てて彼は唇を離した。 目が合う。 自然と背ける。 軽々と持ち上げられて向かうのはベッド。 すぐに押し倒される。 また激しい口付け。 唇が離されて、目が合う前にすぐに顔を背ける。 今日はやけに恥ずかしい。 「自分から誘ってなに照れてんの?」 「……っ!!だってなんか今日優しいんだもん……」 と顔を背ければ、 「プレイは色々あるから」 と耳元で囁いて耳たぶに口付け 「馬鹿っ!」 と言えば 「なんかこういうのもいいよなぁ」 と暢気なことを言いやがる。 体力が持たなくて、ベッドに倒れこむ。 その上に跨る、彼。 「殴らなければ、優しいのに山ちゃんは」 「けっ!男から犯されてるくせによくそんなこと言うぜ、チビ」 と言い返されて無言になる僕。 言い返すだけで疲れる僕は単なる体力不足。 お前もチビだろ!?という前に首に近づく唇。 「ひえっ!?」 「ひえっ!?って……ちょっ。そう言えば初めてだったっけ?キスマーク」 当たり前だろ!? と言う前に何個も何個も付けてくるキスマーク。 チクッという痛みが走る。 おかしいよね、こんなのも嫌と思えないなんて。 こんなに付けられたら仕事にも影響するかもしれないのに。 「んっ……」 「このくらいでいっか」 そう言って前髪をかき上げる。 僕にしか見せない格好いい大好きな表情。 もっともっと見たい。 なんて思う僕はきっと誰よりも欲張りだ。 「じゃ、ヤルか。服自分で脱ぐ?」 「い、いちいち聞かないでよ! いつもは無理矢理するくせに……」 「知念は俺に無理矢理ヤってほしいの? ……まぁ俺はそれでも全然構わないけど」 「んなわけないだろ!」 と軽く……いや重く突っ込んで薄っぺらいTシャツを脱ぐ。 雑誌曰くこういうのは一気にしたほうがいいんだって。 体が外気に触れてくすぐったい シャワーを浴びた後だから湯冷めして風邪引くかもしれない。 同時に感じるのは彼の視線。
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