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レミは屈みこみ赤子の側に体を寄せる。
「こんなにも愛らしいのに」
この孤児院には一年に一人程、人知れず赤子が放棄されていく。名前すらも与えられないままに。その子達は両親の顔も知らないまま、成人することが多い。
それを経験してきたレミは、赤子を放棄した親への怒りや赤子への哀れみよりも、
「ようこそ可愛い天使。わたしはレミ。あなたはわたしの愛しい子供。ここがあなたのお家よ。」
と、語りかけて自らが親となること。親として愛することを決意する。
そして、赤子を抱き上げるためにバスケットの中に手を入れた。すると、毛布にくるまれていたため気付かなかったが、赤子の腹の脇に小さな箱があることに気付いた。
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