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なんとか遅刻を免れた僕が教室に入ると、少しして担任の教師が入ってきた。
「はい、みなさんおはようございます。今日はみなさんに新しくこのクラスに入る仲間を紹介します」
相変わらず少しずれたカツラがめちゃくちゃ気になる中年の先生は、淡々とそう言い放った。
「せんせーっ！！可愛い女の子ですかー」
ざわざわとざわめく教室の中、誰だかわからないがそんな事を先生に尋ねる。
「はい。とても可愛い女の子ですよ」
先生がずれたカツラをさりげなく直しながら、質問に応えると、
「いやっほぉぉぉぉぉぉぉ」
などとクラスの男子たちは盛り上がるのだった。
いやぁ、元気だな。
いくら可愛い女の子でも仲良くなれるかなんてわからないのに。
でも、僕も健全な男の子である。
やはり気にならない訳がない。
どんな子なんだろう？
などと思っていると、先生が転校生を呼んだ。
「では、山添（やまぞえ）さん入ってきてください」
先生の放った言葉を受けたクラスメイト（主に男子）の視線がドアに集まる。
そんな中、ドアが静かに開き、ゆっくりと一人の少女が入ってきた。
「おおーっ！！」
男子の歓声を受けながら静かに登場した少女は、腰まで伸ばした青み掛かった黒髪がとても綺麗な体が小さな子だった。
「あ」
僕は思わず少女を見て声を漏らした。
だって昨日の無口な女の子だったから。
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