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入ってきた昨日の女の子、山添さんは、相変わらずの無表情&無言で黒板の前に立つ。
そして大きくない字で黒板に、
山添 桜
と、自分の名前を書いた。
書き終えた山添さんは、やはり無言で無表情のまま、クラスのみんなに向けてペコリと頭を下げたのである。
「かわいいっ」
教室のあちこちからそんな声が聞こえてくるが、当の山添さんは全く気にしている様子は全く見えない。
と、言うより、相変わらずの無表情なのであった。
「えーっと、山添さんの席はどこがいいかな……」
そんな山添さんの席をどうするか、ヅラ先生が教室を見回しながら考える。
「はいはい。俺の隣ーっ」
「わたしのとなりがいいと思います」
教室のみんなが口々にそんな事を言う中、当の山添さんはつかつかと黙って歩き出した。
そして、僕の横に来てまたしても、ギュッと僕の腕を掴むのだった。
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