chapter.2 学校で

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「……あの、山添さん。離してくれませんかね……?」 教室のそこいら中から飛んでくる殺気がこもった視線と、好奇の視線が痛くて苦笑いを浮かべながら山添さんに声を掛ける。 ふるふる。 彼女は相変わらず無言で首を横に振る。 「山添さんは猪名川君の知り合いでしたか。では、山添さんの席は猪名川君の隣と言うことにしましょう」 そんな僕と山添さんを見ていた先生が勝手にそんな事を言った。 山添さんは、こくこくと頷いている。 ……まぁ、別にいいけど。 僕の席は教壇の真ん前なんだぜ? とりあえず教壇の真ん前の僕の席の隣が山添さんの席となった。 そんなこんなで一時間目終了後の休憩時間。 山添さんの周りにはたくさんのクラスメイトが集まってきている。 みんなに囲まれても山添さんは無表情で無言だった。 ただ、僕は無表情でも無口でもないので、何故知り合いなのかと尋ねられまくったのだが。 「あ、昨日色々あってね」 僕はみんなにそれだけ答えておいた。 昨日の出来事は説明しにくい。
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