chapter.2 学校で

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そんな感じで午前中の授業を終え、昼休み。 僕は食堂にでも行こうかと席を立つ。 山添さんは相変わらずたくさんの生徒に囲まれていた。 「山添さん、一緒に食べよう?」 「山添さんって何が好きなの?」 色んな質問をぶつけられても、彼女はひたすら無言で無表情である。 そんなみんなの注目の的、山添さんは僕が席を立ったのを見て、自分も席を立った。 人に囲まれたりするの嫌なんだろうか? でも、まぁ、転校生ならよくある事だよね。 山添さん、無口で無表情だけど可愛いし。 少し山添さんの事を考えていたら、またしてもギュッと腕を掴まれた。 噂の山添さんに。 「……山添さんも一緒に行く?」 そんな山添さんに尋ねてみる。 こくっ。 彼女は静かに頷いた。 「また猪名川かよ!!」 誰かがそんな事を言う。 いや、僕が聞きたいくらいだ。
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