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「…………」
女の子はじっと無表情で僕を見つめてくる。
ん?いらんことをしてしまったか?
「……大丈夫?」
取り敢えず、こえを掛けてみる。
「…………」
女の子はこくりっ、と1つ言葉ではなく、頷いて返事をする。
「そっかぁ、じゃあ」
と、その場を去ろうとする僕の腕がギュッと掴まれた。
「…………」
くだんの女の子である。
そして例のごとく無言で僕を見つめてくる。
……無表情な分、表情から何を言いたいのか読めない。
「どうしたの?」
聞いてみる。
すると女の子は自販機の上段を指差した。
「ん?どれが飲みたいの?」
無言で指を指す女の子に再び尋ねると、女の子は小さな声でこう言った。
「……甘いの」
どれだよ!!
女の子が指差す先には炭酸飲料数種類に砂糖たっぷりのカフェオレなどが並んでいるのだ。
女の子はそんな事をおかまいなしとばかりに僕の顔をじっと見ている。
仕方ない。
片っ端から聞いてみよう。
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