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柊を先頭に帰宅路を歩いていると、前に少しばかり目立つ集団が賑やかに歩いているのが目に入った。
キリッとしたイケメンの高校生が複数の色んなタイプの小学生女児に囲まれながら歩いているのである。
男子高校生が小学生女児に構うのではなく、小学生女児たちが男子高校生に群がっている感じなのが特徴的だ。
「ねぇねぇ、ひいらぎ姉様」
それを見たりりぃが興味津々に柊の腕を掴み、興味津々に問い掛ける。
「りりぃ、どうしたの?」
「あのお兄ちゃんもロリコンさんなのですかぁ?」
柔らかく笑みながら言葉を返した柊に対し、りりぃは明るい表情で再度問いを投げかけた。
キリッとした表情のイケメン、おとなしそうな娘から、お嬢様タイプ、果ては少年と同い年くらいの制服を着た少女までが、りりぃが言うところのお兄ちゃんに群がっているのを見た柊はどう答えたものかと考える。
「あっ、おーい!秋葉!!」
その中の誰かと面識があるのか、柊が答えあぐねているそのすぐ近くから元気な声を葵が上げる。
「……葵さんですか」
葵が上げた声に気付いた一人の少女が顔を向けて言葉を漏らした。
いかにもお嬢様と言った感じの女の子である。
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