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「…………」
まるで見下すかの様に小馬鹿にした笑顔を浮かべる菖蒲を蓮花は無言で憎々しげに睨む。
「ふふっ、どうしたんです？何も言えないんですかぁ？」
尚も菖蒲はヘラヘラとまるで挑発するかのように笑う。
「……あんたになにがわかる」
蓮花は菖蒲を睨みつけたまま、小さな声を漏らした。
「ははっ、面白いことを言う人ですねぇ。私に貴女のことがわかる訳なんてないじゃないですか。貴女も私のことなんてわからないでしょう？」
菖蒲は笑顔を崩さぬままでそう言う。
「でもねぇ、私が知らない貴女が私の知ってる人を下らない意地と嫉妬で放った言葉で雁字搦めにして苦しめて、唐変木をなおクソ鈍感にしている様は正直言って楽しくないんですよねぇ」
一度言葉を切った菖蒲は牡丹が放つ冷たい視線と同じくらいに冷たいそれを蓮花に浴びせてそう言った。
正直に言って、向けられていないはずの僕まで震えてしまいそうである。
「……何も知らないくせに」
蓮花は悔しげに、憎々しげに菖蒲を睨みながら弱々しく呟くように漏らした。
「……もういいですか？」
そこに今まで黙って見ていた御杖さんが２人に割り込むように口を開いたのである。
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