chapter.23 彼女と僕の文化祭②

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「そろそろ行かないと遅刻してしまいますよ?」 御杖さんは蓮花を庇うように菖蒲の間に割って入ると、柔らかな表情を浮かべてそう言った。 「……そうですねぇ。そろそろ行きましょうか」 菖蒲は御杖さんを真っ直ぐに見てそう言うと、くるりと僕の方に向き直って腕に抱き着いてくる。 むにゅっとした感触が腕に!!あと、シャンプー?コンディショナー?トリートメント?何かわかんないけど凄くいい匂いが僕の鼻腔をくすぐってくる。ふぇぇ、いい匂いだよぉ……。 「さて、じゃあ行きましょうか」 腕にむにゅっとした柔らかくとても心地の良い感触をさせながら抱き着いてきた菖蒲が顔を上げ、上目遣いにそう言った。 顔が近い!!あと、無駄に可愛い!! そんな焦る僕の左足の小指に激痛が走る。 「痛いっ!!」 そちらに目をやると小さな桜が小さなあんよで僕の左足の小指をピンポイントに踏みつけながら、幼く愛らしい顔を向けている。 小学生並に小さな桜だから、必然的に見上げる形で上目遣いになっていた。 「……すすむはあたしといくの」 そんな桜さん、凄く小さな声でそう言ったあと、僕の左腕に抱き着いてきたのである。 柔らかいけど、菖蒲のようなむにゅっとした感触はあまりない。
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