かしかりモップ

「かーりーや、一緒に帰ろうぜー」男子の一人が声をかける。
「おう、俺もも一緒に帰るぞ」もう一人来た。
「なんだよー、オレ二人に挟まれちゃうんだー」
「そうだよー」三人は仲良しで、帰りはいつか一緒のコンビだ。
「今日買い食いしねぇ？」「ごめ～ん、無理だ～」
「なんでだよー」
「今日、お母さんが早めに帰えってこいって～、何か話があるって」
「マジっ、ヤバい事でもしたのかよ」「違うよー、逆だよー。プレゼントも来るって言ってたしー」
「じゃあ、しゃーねーな」「じゃーね」
一人ですたすたと少し高台にある家に帰っていく。
「マーマ、ただいまぁー。お客さん来てないよね、まだ」
玄関を入るとお母さんから『ママ』に呼びが変わった。学校でママと呼ぶのは恥ずかしいからだろう。しないのだ。
「プレゼント来てるわよ」「本当っ！？わーい、なんだろっ」
プレゼントの包装を丁寧に取ると、箱に英語で『JerartPenin』と書いてあった。
「ジェラートペンギンとりあつかい・・ぬいぐるみかなぁ」と持ち上げているのはペンギンのぬいぐるみだ。