プロローグ

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私が初めて万引きをしようと考え、そしてそれを実行に移そうとしたのは 高校一年生の夏休み前、一学期のこと。 その日は例年通りの気温の高い日だった。 太陽の光を遮るものは何もなく、日差しを浴びた肌はじりじりと焼けつき、汗ばんだ体にべっとりと制服のシャツが張り付いた。 私はアクセサリーショップの店外で、様々な商品を乗せ並べられたワゴンの前に立っている。 ――思い通りにいかない毎日 ――積み重なるストレス
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