プロローグ

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自分を押し殺しながら過ぎていく日常に ……助けて、と私の心が叫ぶ しかしこの叫びは一体誰に届く?…きっと誰にも届かない。 なにか欲しい物があったわけじゃない。私は目についた品物を穴が空くかという程、睨みつけた。 目の前には きらびやかな装飾が施された一本の鍵が輪に通された、シルバーネックレス。 ――こんな事して、何か変わるの? 自分の中で生じる迷いや葛藤を、必死で押さえつける。 そして日頃のストレスをぶつけるかのよう、そのネックレスに手を伸ばして掴み――― 衝動的にポケットに入れようとしたのだった。
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