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「…嘘だ…!
沙夜は…俺の事を嫌ってたはずだ!」
「貴方が嫌いなのは嘘よ。
何時だってあんたの事が好きだった。
最期まで…ね…」
「沙夜…」
悠は涙を流していた。
嗚呼、悠は沙夜の事が好きだったんだ…
好き合っていたのに、反発しあいながら想いを遂げずに朽ちてゆく…なんていう悲恋劇なんだろう…?
ザシュッ
肉が裂けて血が飛び散る。
なんて生々しい音なんだろう。
悠は泣いていたけど、どこかが安堵していた。
梓が初めて見た光景は
赤
だった。
元々、真っ白だった面影が無くなるくらいに赤に埋め尽くされていた。
え?
何で?
何で?何で?何で?何で?
何で、お父さンとお母サんが赤くなっているの?
ネえ?どうシて皆が赤クなってイるの?
梓は叫ぶことは出来なかった変わりにある記憶が蘇ってくる。
嗚呼、コの赤は血なんだ。
そして、赤に染ませテあげたのは、紛れも無く私なんだ。
「ふっ…あっはははははははっ!!
さぁちゃん?私…やったよ!
復讐をやり遂げたよ!!!」
梓は声が枯れそうなくらいの大声をあげ、笑っていた。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハはハハハハハハハハハハハハハハハハハハっ!!
さぁちゃん、私疲れちゃった。
もうすぐさぁちゃんの方に行くからね?」
最後に包丁を振りかざした先はは梓―
そう、最後に殺したのは自分自身。
ブシュッ
.
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