プロローグ

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何年前だったんだろうか… 初めて、沙夜と出会ったのはー ああ、そうか あの時に、俺がー *********** 「ひっく…ひっく…」 「どーしたのー? なんでないてるの?」 泣いて座っている少年の前に、黒髪の少女が不思議そうに、そう聞かれた。 少年は、まさか少女に聞かれているとは思わなく、瞳に溜めていたものを服の裾でゴシゴシと拭いた。 「……おまえだれだよ…」 「わたし? わたしはね、さやってよぶんだよ!! あなたは?」 「………ぅ…」 「?」 少年はもごもごしながら俯いていた。 沙弥は少年の言葉が聞き取れなくて、きょとんとしていた。 そんな沙弥を見た少年は、声を震わせながらそう言う。 「……ゆう… かいばゆう… ゆうだよ!!!」 「ゆうくん? じゃあ、さっきなんで、ないてたの? どこかいたいの?」 「…おかぁさんとおとぅさんが、しごとであそんでくれないから」 「なぁーんだ。 そういうことかー」 沙弥は陽気そうに答える。そんな沙弥に対して悠はムッとした。 沙弥は悠の手を引きながらどこか連れていった。 悠は不思議そうに、沙弥に聞いてみる。 すると、沙弥も不思議に悠を見つめる。 「さやとゆうとあそぶんだよ? ゆうといっしょにあそぼ?」
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