春のにおい・秋のにおい

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「なんで…泣いてるの?」 顏をあげるとちょっと年下らしき顔立ちの少女がこちらを覗きこんでいた 少女は後ろに持っていた缶を差し出して続ける 「あったかいの飲むと…落ち着くんだよ? 私のお姉ちゃんも好きだったホットミルクティー 嫌いじゃなかったら飲んで?」 缶を受けとると少女が隣に腰掛ける 先ほど供えてきたのと同じその缶を見つめていると 頬ににわかな熱が広がった 「あったかいでしょっ!」 まだ名前も知らない少女は微笑みながらプルタブを引いた
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