第二章

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 中庭のベンチに座って待っていると、数分後に藤本が来た。 「よう、待たせたな」 そういって、彼は後藤の隣に座った。 数秒間、沈黙があった。 その後、下を向いてこういった。 「今回の件は、本当に残念だったな」 「はい」 ぼそりと後藤は答えた。 「あいつ、昨日まで何ともなかったのに・・・」 「緒形が死んで悲しくなる気持ちは判るけど、もうじき試合もあるから、健康にだけは気をつけろよ」 「・・・分かりました」 「犯人、早く捕まるといいな」 そう言ってから、藤本は立ち上がった。
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