第三章

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 山岡は、マンションの入り口で待っていた。 「お疲れ様です。お待ちしておりました」 「ご苦労さん。じゃあ、行こうか」 「はい、こちらです」 マンションから歩いて10分ほどのところに、その家はあった。 2階建ての一戸建てで、壁はクリーム色だった。 山岡が門の前に立ち、チャイムを鳴らした。 すると、十数秒後に家のドアが開き、一人の男が姿を現した。 「こんにちは、度々申し訳ございません。先日お邪魔した、山岡です。今回は、事件のことについてお話を伺いたく、参ったのですが」 「ああ、お待ちしておりました。どうぞ」 そう言って彼は、門をを大きく開けた。 「ところで、そちらの方は?」 阪井の方を見ながら、その男は言った。 阪井は、一歩前に出た。 「はじめまして、阪井と申します。この度は、誠にお気の毒なことで・・・。一刻も早く犯人を逮捕するため、お力添えいただけますか?」 男は、大きく頷くと、 「もちろんです。犯人が捕まるのであれば、私は何でもするつもりですから」 と言った。 「そうですか。ありがとうございます」 阪井は、丁寧に頭を下げた。 山岡も、それに倣って頭を下げた。 「さあ、入ってください。何か暖かい飲み物でもお出ししましょう。今日は一段と冷えますからね」 そう言った男の目は、赤くなっていた。
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