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少年漫画のコーナーは、ほとんどが立ち読みをする男子中学生で埋め尽くされていた。
だから、目的の人物を探すのに、手間はかからなかった。
「よ、待たせたな」
そう声をかけると、その人物は顔を上げて、
「おう、来たか。待ってたぞ」と言った。
彼は、同級生の緒形征司である。
二人が待ち合わせをするのは、 いつも、この書店と決まっている。
その理由は簡単で、待っている間立ち読みができるから、ということらしい。
「それじゃあ、いくか?」
後藤が促した。
「ああ、そうしよう」
読んでいた漫画を本棚に戻しながら、緒形は言った。
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