第三章

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全ての授業が終わった後、後藤はいつも通り、弓道場へと向かった。 弓道場に入ると、藤本が弓具の点検を行っているところだった。 「こんにちは」 と言ってから、肩に掛けていたショルダーバッグを壁際に置いた。 「よう、後藤。少しは落ち着いたか?」 藤本が訊いてきた。 「はい。もう大丈夫です」 後藤はそう答えたが、未だに心の整理がついていないというのが事実だった。 藤本は、後藤の顔を見ると、小さく頷いた。 その後、立て続けに部員が弓道場に入ってきた。 後藤も、練習の準備を始めた。
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