第四章

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 「いつも笑顔で、私のことを気に掛けてくださいます。でも、息子さんが亡くなられたことを知った時、ずっと、枕に顔をうずめて泣いておられました」 老婆は、悲しげな表情で語っていた。 まるで、故人を懐かしんでいるようだと阪井は思った。 暫くすると、入り口のドアを開いて亜希子が入ってきた。 彼女は、阪井らの方見ると、頭を下げた。 そして、ベッドの方へ歩み寄った。 阪井は、いつものように名乗った。 「この度は誠にお気の毒なことで・・・お悔やみ申し上げます」 そう言って、彼は頭を下げた。 「それで、征司の事を訊きにいらしたんですね?」 頭の上で、亜希子の声がした。 阪井は、頭を上げた。 「はい。申し訳ございませんが、犯人特定の為、ご協力をお願いいたします」 そう言うと、阪井はもう一度頭を下げた。 「分かりました。何から話せばいいですか?」 亜希子は、ベッドに腰掛けながら言った。
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