第四章

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 新聞の日付は、10月21日だった。 つまり、今から2か月ほど前ということになる。 もし、この記事に書かれている男子高校生が、藤本の弟だったとしたら― 阪井は、新聞紙を持って体を起こした。 残り少なくなったビールを飲み干すと、新聞紙に目を移した。 記事には、被害者の通っていた高校や、その校長のコメントなども載せられていた。 だが、それらを見ただけでは、被害者と藤本の関係の有無は判らない。 阪井は、新聞をパソコンの上に置くと、ベッドに横たわった。 壁に掛けてある時計を見ると、午後9時を過ぎていた。 阪井は、ゆっくり目を閉じた。
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