第四章

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 次の日の午前9時、阪井はある喫茶店にいた。 後藤と緒形がよく行っていた喫茶店である。 そこで、阪井は山岡と待ち合わせていた。 少し前に運ばれてきたコーヒーを啜る。 喫茶店でコーヒーを飲むのは、久しぶりのことだった。 目が冴えて、気分が高まるような感じがした。 「おはようございます」 コーヒーカップから顔を上げると、山岡が立っていた。 「ああ、おはよう。今日もよろしく」 山岡は、阪井の向かい側の席に腰を下ろした。 そして、店員にコーヒーを注文した。 「それで、話ってなんですか?」 山岡は訊いた。 「ああ、興味深い情報が手に入ってな」 身を乗り出しながら、阪井は言った。
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