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ステフを家まで送り届けたのはいいけど今の俺は何とも言えない気分だった
その訳は、両手一杯のマンゴー
でも、これって・・・・・ステフのだよね？
でも、高価な物だし・・・・・・やはり複雑だ
奥さんはもうステフには食べさせないからと言ってくれたけど、複雑だ
「凜」
「ヨル、どうしたの？」
「役場の帰りだ」
「へっ？」
「明日からよろしくな」
「ん？」
「俺が撮影を任されたんだよ」
「マジ？よかったぁ～」
ヨルが居てくれるなら安心かも
緊張しなくても済みそうだしね
「ところで・・・・・それは？」
「マンゴー？」
「何故疑問系？」
「ですね」
そう言えばヨルの好物だったんだ
「かなり上物だな」
「あ、あはは・・・・」
上物ね
複雑だ
「じゃ、ヨルにプレゼントフォーユー」
「マジ？」
「明日からお世話になるしね」
「じゃ、みんなで食べよう」
「･・・・・・・・・・・・・・・・」
「んっ？」
「そ、そうだね」
でも、マンゴーには違いない
しかも上物
「肉ももらったよ」
「そうか、前はすきやきにマンゴーを落とされたからな」
「あはっ」
まだ覚えてるし
相当悔しかったのか？
「じゃ、帰るか」
「あっ、俺海に寄るからこれを」
「わかった、暗くなる前に戻れよ」
「うん」
・・・・・・・・って、俺はいくつの子供なんだ？
肉とマンゴーをヨルに渡して砂浜に向かった
今夜もすき焼きだったら、わざとマンゴーを落とそうかな
でも、そうなると俺も食べなければいけなくなるし、マンゴーだし、でも餌だし
奥さんに悪気は無いと思う
でも、高いマンゴーを惜しげもなくくれたと言う事は・・・・・・
やはり餌扱いだったのかな・・・・・
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