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「先生、帰りましょう」
「そうだな」
「すごい荷物ですね、半分持ちます」
「すまない」
「じゃ、俺も」
「ああ」
二人にマンゴーを持ってもらい病院を出た
「この香りは」
「彰、ほらあれ」
「あっ、すき焼き」
「あははっ」
確かにマンゴー＝すき焼きのイメージしかない
「でも、すごい量ですね」
「ステファニーの奥さんにね」
「成程、と言う事は」
「みんなには内緒だぞ」
「わかりました」
さすがに餌をもらったとは言いにくい
いや、餌と言えども立派なマンゴーだし
「彰、今日こそは食べられそうだね」
「うん、楽しみ」
車を運転しながら二人の会話を聞いていた
「今日、初めてヤギを診察したんだけど」
「俺は鹿」
「心配そうだったから何とかしてあげたいと思ってさ」
「うんうん」
「結局運動不足だったんだけど・・・・・・・」
「よかったね」
「いや、その後の言葉が」
「どうしたの？」
「もう少し育たないとまずいとか」
「えっ・・・・・」
「あはは・・・・・参っちゃった」
「鹿は交通事故だったんだけど、まさか」
「でも、ヤギって食べれるのかな？」
「わからないけど鹿は食べられるような」
「うん」
確かに複雑だよな
この島はヤギが多いし、きっと食用かもしれないけどやはり複雑だ
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