幽霊病院?

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「ほ、ほんとに行くの?」 「うん」 「でも・・・・・悪霊が」 「その悪霊がついてきてるんだよ?」 「うぁううう」 深夜、こっそり部屋を抜け出して雪矢と海岸を歩いていた 「凜、お線香は?」 「ないからこれで」 「お香?」 「うん」 前に買ったお香を見せた 「まぁいいや・・・・・塩は?」 「これ」 「瓶ごと?」 「よくわからないから」 「まぁいいや」 と言うか、行くのをまぁいいやと言ってやめて欲しい 「行くよ」 「あい」 真夜中の海は不気味すぎる 月明かりを頼りにひたすら歩いた 「イルカは?」 「寝てるよ」 「そうなんだ」 「うん」 こんな時、みんなが居てくれれば心強いのに 砂浜から道路に出ても真っ暗とか・・・・・・・ 「ほ、ほんとに行くの?」 「うん」 雪矢って臆病なのか勇気があるのかがわからない 「もうすぐだね」 「と言うか・・・・・中には入らないよね?」 「入るよ」 「いやぁーーーー!」 「しぃーーー!」 「むりむりむり!!足音が聞こえたら腰が抜けてしまう」 「平気だよ」 「どうして?」 「俺、お守りあるし」 「ちょ!!一人だけずるいって」 「行くよ」 「そんなぁ~~~」 聞いてないよ お守りとか聞いてないよ 重い足取りで歩いても、着いてしまうんだ 目も前のビルを見つめ、雪矢の顔を見た 「行くよ」 「・・・・・・・・・・・・・鍵」 「開いてるみたい」 「そんなぁ~~~」 どうして開いてるの? 俺達を待っていたの? 「ま、真っ暗で何も見えない」 「ろうそく持って来た」 「・・・・・・・・・・・・どうしてろうそく?」 「何となく」 余計に怖いじゃん! ろうそくを灯した瞬間、雪矢の顔が怖かった 「ひぃ!」 「何?」 「炎が怖い」 「凜も持って」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 何これ 何の罰ゲーム? ろうそくを持って歩くだけでも十分怖いし 「中は綺麗だね」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 そんな余裕はないっ!! 「あそこだ・・・・・外から見えた部屋」 「・・・・・・・・・・・・・・・」 「行こう」 「な、中には入らないよね?」 「うん」 助かった ならさっさと終わらせて帰りたい 部屋に近付き、ドアの前でお香を焚いた 「塩を」 「悪霊退散、悪霊退散・・・・・・・」 床に塩をぶちまけて一瓶空にした
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