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「馬鹿とはなんじゃ馬鹿とは」
ムッと顔をしかめられても困る。
元々鋭い眼孔がさらに鋭くなって、もはや殺気すら感じる。
「真面目な話かと思えば、今さらそんな神頼みみたいな展開を期待するのが馬鹿って話だよ」
殴られるかなー。
さすがに馬鹿にしたら普通に殴りそうなんだよなぁコイツ。
「愚か者、だからこそ期待するのではないか」
「は?」
「牢屋から出られぬ捕らわれの姫君を助けるために、颯爽と現れるイケメンの男。ワシを監禁してる輩などギッタギタにぶちのめして、爽やかな顔をしながらワシを救い出してそしてゴールイン……今がまさにその絶好のシチュエーションではないか!!」
「色々とツッコミたいが始めに言わせろ! そのシチュエーションからして俺がそのイケメンにギッタギタにぶちのめされる輩じゃねぇか!! 明るい顔してそんなポジションに俺を配置しやがったのかお前は!!」
なんてヤツだ。
恩を痣で返すレベルじゃねぇ。
恩を死で返すレベルだ!
「はて、恩なんて貰った記憶がないんじゃが?」
「む」
そういや協力だったな。
互いに利害一致の協力だから、恩じゃないな。
「まぁ……それはいいとして、主人公みたいなやつだっけか? 俺、本とかはあまり読まないから分からないけど、主人公ってやつはイケメンなのが当たり前なのか?」
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