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ふと上を見上げた。
そびえ立つように並ぶ木々の間を埋め尽くすような葉っぱのカーペットに差し込む太陽の光を見る。
差し込みの角度具合から見て、もう昼過ぎだろうか、確かに歩き回ったせいか僅かな空腹も感じる。
昼飯、にするか…。
背負っていた古びた大きなカバンを大ざっぱに、樹根が浮き上がった地面に置いてから中身を探る。
皮袋に入った、集めに集めていた木の実を取り出してから一息ついて地面に腰を降ろした。
慣れた食感、慣れた食味、というよりなにも加工してないから不味い。
ポルクの実と言って、見た目は赤く熟した小さな実で、普通は食べるときは煮てから他の材料と一緒に食べるモノなのだが、如何せん俺は金はあるが食料はない身だ。
不味くても栄養がある、というか木の実で食べれるのがこれぐらいしかないし、どちらも不味いならば草より実を食べるほうがマシだと、そう割り切ってから昨日からこの不味い実を食べている。
ちなみに、慣れたら最高に不味いこの実の味に病みつきになりかけてる自分がいる。
ひもじい。
ああ、なぜ俺はこんなにもひもじい思いをしなくてはならないのか。
普通なら今頃はどこかの村か街辺りで上手い飯を食べていたに違いないというのに、現実は不味いポルクの実を食べると来た。
嫌だ嫌だ、あー嫌だな。
ちくしょう、なんだってこんな仕打ちを受けなくてはならないのか、俺がなにをしたと言うのか。
あー、あれだろうか。
前の都市で、あの子は素晴らしい乳房をしているなぁ眼福眼福、といやらしいことに思いを馳せていたことだろうか?
だとしたら神様は罰を与える人間を間違えいると思う。
というか、そんないやらしい思いで乳房を見るぐらいいいじゃないか!!
なんて、頭の悪い思いを胸に不味い実を食べる。
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