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事後先略。
「グランディス・ルールラン・アクセリアンダー」
最凶に最強のと付け加えて、その女性は名前を教えてくれた。
となると、フルネームは、
最凶に最強のグランディス・ルールラン・アクセリアンダー“様”、となる。
……名前、なっが。
カッコ良いとかそれ以前に、逆に引くわそんな名前。
先の俺の一目惚れ的なモノが急速に冷めて、ただの変人みたいな認識になっちまった。
関わりたくねぇ。
「なんじゃ、その哀れむような目は」
哀れむとも。
最凶に最強なんて痛い通り名を持っているお前と知り合ってしまった俺を全力で哀れみたいわ。
「……えー、グランディスだっけか」
とは言え、この異常な森で出会った唯一の生物だ。
てか、見た目人間のなりだけど人間じゃないよな。
肩まで伸びた綺麗に切り整えられた金髪に、つり上がった鋭い眼、森の中なのに赤をベースとした胸元が開いた半袖に黒いズボンという軽装、そしてなにより…おっぱいデカいなコイツ!!
「グランディス様じゃ人間」
様を強調しながら睨まれた。
…なんだろう、コイツ。
おっぱいデカいくせに。
まるでおつむが小さいという考えだが、それを口に出してしまったらまた殴られかねない。
というか絶対殴る。
“あ、虫がいるよ”みたいなノリで助走をつけて殴られる。
そして、吹っ飛ぶのは俺だ。
というかそれじゃ、俺が虫だよなちくしょう。
「グランディス様」
「なんじゃ、虫」
……うわーい!
人間から虫に昇格したー!!
うれぴー!!
…………。
………。
……。
初対面だけどコイツ、死なねえかな。
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