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「……グランディス様」
「なんじゃ、精子」
「さっき虫って言ったばかりだろ!? 俺はお前に話しかける度に存在がランクダウンしていくのか!? つか精子って精子だよな!? 精子ってランク的に虫より上なのか下なのかがわかんねえよ!!」
命の神秘ともあろう精子を気安くゴミを呼ぶような発言をするんじゃねぇよ!
というより虫と比べるとどっちもどっちって気がして曖昧じゃないか!
この際、虫で統一してくれよ!
「すまん、しくった」
テヘッ☆と舌を出して笑うグランディス、もちろん頭をポカリと叩いて、だ。
「なにをしくったらそうなるのかがわかんねえ…。まぁ、そんなことはどうでもいいんだ、いやガチで」
俺はお前のツッコミをやるためにこうやって向かい合って座ってるんじゃないしな。
この森について話したいだけなんだし。
「分かっておる分かっておる」
ヒラヒラと手を振ってなにもかも分かってますよというノリで俺に向けて笑う。
笑うというよりにやける。
「分かってるならいいんだグランディス様。実は俺はな…」
「なんじゃって!? ワシに一目惚れしてその欲求不満をワシの肉体にぶつけたいと!? 恥を知らんか!!」
「お前、死ね!!」
勝手に会話を先読みされて、しかも先読みの会話がおかしい上に、威圧的に怒られてもどうしようもない。
俺、唯一出会った生物に後悔しか生まれてない気がする。
殴られようがなんだろうが、こんなアホには死ねと口に出すしかない。
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