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「(中身は何だろう)」
そんな考えが頭を過ぎった。
答えが解らないから知りたい。
先が見えないから見たい。
何が起こるか分からないから試してみたい。好奇心が私の奥からゾクゾクと沸いてくる。
異常な出会いが怖いもの見たさを更にかき立てた。
「開けても平気だよね」
根拠なんてどこにもない。
開けて無事な確証もない。
それでも、今ある感情を抑えきれない。
私は棺桶の蓋に手を掛けた。
「…………」
言葉が出なかった。
中に入っていたのは人形。それも精巧に精密に至精に人間に似せて作られた人形。長くもなく短くもない髪。男なのに凛とした顔立ち。執事服を沸騰とさせ、渚未来の制服に酷似した藍色の服。棺桶内を色取り取りの花が飾っており、器の棺桶もあってか、葬式のイメージを湧かせる。
見た瞬間から私の中に不思議な感情が芽生えていた。
初対面(?)のはずなのに幼馴染にも似た馴染み感。
友人と数年ぶりに会ったような懐かしさ。
どこかで会ったような既視感。
初めての感覚が全くしなかった。
ついつい、吸い込まれるように見入ってしまう。
「…………」
パチクリと人形の目が開く。
見事に目が合った。
そのまま数秒間見つめ合う。
「う……」
「?」
「うわぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあ!!」
間抜けな声を上げながら男から遠ざかった。
男は人間らしい動きで上半身を上げ……
「ちょ、ちょっと!! そこから一歩も動くんじゃないわよ!! 出たりなんてもっての外だから!!」
「はい了解しました」
無機質な表情で肯定。意外にも言う通りにしてくれた。てっきり反抗してくるのかと思ったけど。
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