強かに生きよ

現状説明を兼ねたとある日のお話

『どうせ、役員達は会社を継ぐなり重役に就いたりするんでしょう？転校生に溺れてるのも、せいぜい卒業までよ。卒業後は良い取り引き材料！龍也の評価も上がるし、一石二鳥！証拠はきっちりとっておくのよ。むしろ役員がリコールされないように注意しなさい。大丈夫。男の子なんだから、１ヶ月や２ヶ月、食事と睡眠が不足したって、死にはしないわよ！』

　その日のうちに、俺はカメラと盗聴機を用意して、部屋を見渡せる位置にセットした。植木鉢に潜んでいる小型カメラは、今も元気に活躍中だ。仕事もそのまんまだけどな！
　鈴音は、そういう女だ。
　中学時代からその様を見てきた俺は、困った時は鈴音に相談するのが当たり前になっている。他力本願な考えみたいで悪い気がするから、本当に困った時しか相談しないけどな。

『ニコニコ笑って出迎えて、媚薬入りの飲み物でも出したら？適当な所に捨てといたら、誰かが食べてくれるでしょ』

　性的な意味で。
　今日も今日とてえげつないぞ、鈴音。