プロローグ

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「もしよかったら私と付き合って」 高2の夏。 夏休み明けの始業式。 呼び出された校舎裏で告げられた。 相手は、三年生の松井玲奈。 先輩だった。 肩辺りまで伸びた黒髪。 黒目がちな瞳。 なぜこんなにもきれいな人にこんなこと言われてるんだ俺。 「それで…返事は?…」 不安そうに訊いてくる先輩。 俺じゃなくても、もっとかっこいいのは沢山いるだろうに何で俺なんだ? 「あっ、えっと…。よろしくお願いします。」 「よかった…。じゃあ今日は生徒会があるから…」 そう言いながら携帯を差し出してくる、アドレスを交換しようということらしい。 交換し終えると小走りで去っていく。 その後ろ姿はなんとも言えない雰囲気があった。 呆然と立ち尽くす。 告白されてしまった。 三年生でも一、二を争う美人に。
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