流れ星を見上げる君の横顔

1・見上げたいのは――

……どう言い繕ったって、私の思い込み勘違い発言は失礼に値すると思う。

「っ、あのっ！　そちらさまはっ……」

「ああ――本郷です。こっちだけ名前知ってるのは失礼ですね」

「そんなことっ」

あの人やその人じゃあ、こんなふうに対した時困るけどっ。確かに語りかけやすくはなったけどっ。

「……いいえ。そのようなことでは……。本郷さん、重ね重ね、色々と、失礼ばかりですみません」

「僕は何も気分を害していません」

「でも、さっきより言葉遣いが丁寧で。……人って、静かに怒るとそうなりますよね」

「それは、笹本さんが頑張って丁寧でいようとするから、僕もつられるんですよ」

そうして、少し照れたように、初対面のお嬢さんには丁寧でないと、と本郷さんは紳士な発言を加えた。

恥ずかしさで、いつの間にか小さく歩くようになってしまった私に、本郷さんは歩幅を合わせてくれていた。

気付き、隣を見上げると、道中の話題にと、ひとつ話をしてくれた。