流れ星を見上げる君の横顔

1・見上げたいのは――

夕方のこと。

本当なら今日は友達の家へ泊まりに行く約束だった。

昨晩からの流れで、泊まりっこ大会だったはずなんだ。

友達は大学近くに一人暮らしをしていて、今夜は、可能な知り合いが一同に集まって大呑み会が催される予定だったんだ。

普段はそういう会も途中で抜けなくてはいけなかった私は、今日は泊まりだから最後まで――と、とても楽しみにしていたんだけど……。

『ヤバイッ……マジでバイトが一人も集まらないっ!!』

妙に軽い言葉遣いの店長の圧力に屈してしまった。

……私は独り、泣く泣く家路を辿る。

悔しいから、お泊りセットは友達の家に置いてきた。否、置かせてもらった。近い未来に必ずリベンジするという決意も込めて。

そうして私は、優しい友達たちから渡された、パーティーにと用意してくれてあったスイーツをひとつ、大事に大切にかじりながら歩いた。