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閉店時間きっかりに、あの人は帰っていった。五分前に滑り込んだというのに、なんて素早い行動。
――イヤだ。またお気に入りが増えたような気もする。
これは、病のお年頃な私が、恋をしたいというサインなのかもしれない。
幸せそうな人を見ると、微笑ましくって少し羨ましくもなって、自分もってなる。
それは、友達や周囲の大切な人たち含め、全般に対して思うこと。
もう少し余裕が出来たら、いつか誰かと――なんて思ってるってことは、まだ私にはその兆候も生まれてないんだろうか。
漫画や小説、ドラマとかではいつも言っている。
恋は、いつのまにか始まってるものだって。
「――、?」
店長が気を利かせてくれて、閉店後すぐに退勤可能となった帰り道。突然のバイトにも快諾して出勤し、色々と頭を働かせていた私に、もしかしたら神様がご褒美をくれたのかもしれない。
前方に、少し嬉しい出来事が転がっていらっしゃった。
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