第2章 特別な感情

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平然とした顔で そう言った堀口は 真っ直ぐに私の瞳を見てた。 …… “直接聞いて 好きだと思われるのがイヤ” って、じゃぁ、 わた…し…は? おも…われても……いい…ってこと? …そんなわけ、ないか。 自意識過剰もいいとこ、 そう 自分に言い聞かせた 「いやいや… だって堀口女子のメアドくらい いっぱい持ってるでしょ? 智香、とか…香織とか…」 「持ってるっちゃ 持ってる、けど。 全部あっちから聞かれただけだし 俺から聞いたのは 是永が初めて。」 初めて。 また沸々と嬉しさが こみあげてくる 「そ…か。 うん まぁ とにかく またメールするね」 私は 君の一言で 一喜一憂してたね。 君が “初めて” だということ それが 私だということが 嬉しくて 幸せで… 仕方なかった。 ……このモヤモヤした感情は 雲のようにふわふわとしていて まだ 掴めない けど、 それでも この感情[キモチ]は 特別なもの だったんだね。
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