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「あんさん避けるのうまいわ。だがこれは無理やろ?」
フェルは感心したように笑みを作ると、手先を引いた。
「い、糸だな!」
親指を切られた事と、彼の動きでルークは武器の正体を掴んだ。
そしていつの間にか、それが自分の回りに張り巡らされているのが解った。
「もう遅いわ!」
フェルが叫ぶと同時に、ルークの周りの糸が一斉に襲いかかる。
「正体が解れば対処は可能だ!」
ルークは即座に腰から鉄製半月板を取り出すと、それを両手に嵌めて体を回転させた。
「ぬあ!超撃回転(スクリューブロー)」
ギュルルルルッ!
ルークは半月板を先頭に、フェル目掛けて高速回転しながら飛び掛かる。
ブチブチっと鉄製の糸が切り裂かれ、そのままフェルに襲いかかった。
「マジで大した奴や!」
身体を掠めるギリギリで避けた彼は、直ぐに態勢を整えた。
避けられたルークは、そのまま地面を蹴って再び襲いかかる。
「ギース!殺れ!」
フェルが叫ぶと同時に、茂みにいたギースが突然、ルーク目掛けて斬りかかった。
「な、何だと!」
丁度回転している身体の横から斬りかかられたルークは、成す術がない。
ザシュっと鈍い音と共に胴体を斬られた彼は、そのまま地面に転がった。
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