偽りの仮面

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僕クダリ。サブウェイマスターをしてる。 さっきも言った?うん、知ってる。何となく言いたかっただけ。 僕にはね、好きな人が居る。誰かって? トウヤ?トウコ?違うよ。 確かに、トウヤもトウコも僕大好き!だけどね、あの二人以上に大好きな人。 僕のお兄ちゃんのノボリ。小さい頃・・・いや、生まれる前から一緒に居る大切な片割れ。 ずっとずっと一緒に居る。僕はノボリが大好き。兄弟としても家族としても大好き。 だけど、僕の大好きは[そういうのじゃない] 僕はノボリを一人の男として好きなんだ。 恋って意味だよ? だけどね、ノボリはそれを知らない。伝えてないから。 知られちゃ・・・いけないから・・・。もしも今、気持ちを伝えてしまえばきっと戻れなくなっちゃう。 兄弟に、家族に。僕もノボリも。もし戻れたとしても、ぎこちなくなる。そんなの嫌だ。 だけど、ぎこちなくなることよりもっと嫌なのはノボリに嫌われることの方が嫌だ。だから・・・ 気持ちは伝えない。ずっと僕の胸の中にしまっておくんだ。 顔にも出さないように、ずっと・・・ 笑顔で隠し通すんだ。
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