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俺はここが、どこなのか聞こうと話かけてみた。
東郷「すっ、少し聞きたいことがあるんだが…」
返事は返って来ない。
東郷「頼む。話を聞いてくれ」
それから、十分間頼み続けてやっと顔を出してくれた。
東郷「俺の名前は東郷一刀。鍛冶師だ」
俺はとりあえず名乗り、不審人物ではないことを主張した。
?「…私の名前は早間ありす。この国の騎士だ」
東郷「…えっ!?」
今なんて?
早間「…だから、私は騎士だと言っている!」
俺はどうやら大変な事をしたようだ。
思わず下を向くと衣服と剣が置いてある。
東郷「あ~。…騎士様がこんなとこで何を?」
早間「私はここの周辺に出没する盗賊達を討伐しにやってきて、ここで返り血を洗い流していたんだ」
なるほど。確かに水面にうっすらと赤いものがある。
早間「ところで、鍛冶屋がこんな所で何をしているんだ?しかも帯刀して」
俺は言われて初めて、刀を帯刀したままのことに気がついた。鍛冶屋なのに帯刀している。これは、明らかに不審者だ。俺は諦めて、今までのことを話した。
早間「神流の鏡だと?」
東郷「そうだ」
早間「その話、もっとよく教えてくれ」
早間が岩陰からこちらにこようとする。
東郷「まっ、まて。まず服を着てくれ!」
俺はとっさに後ろを向いた。早間は耳まで赤くなり、自分の着替えと剣をとって、茂みに隠れた。…しばらくして、早間は鎧を身にまとい茂みから出てきた。
早間「さっ、さあ、話してくれ」
早間は俺に話すように促した。
東郷「あ、…ああ」
俺は頷くと気まずい雰囲気の中、神流の鏡のことを知っている限り教えた。
東郷「…と、言う訳だ」
早間「…ふむ」
早間は頷くと何かを、考え出した。俺はしばらく、黙って見守った。すると、早間は勢いよく立ち、俺にこう言った。
早間「お前をバルト城に連行する」
時は少し戻り雪山へ
五十嵐「~~~~ぁぁぁぁぁああ」
空から五十嵐が降って来た。
五十嵐「やべえ!このままだと地面に激突する!」
俺は手足をばたつかせるが、どうにもならない。そして地面が近づいてきて、顔面から着地。目の前は真っ暗。何があったのかわからなかったが、少しして埋まった事に気づき、抜け出そうとするが、なかなか抜けない。
五十嵐「だ、誰か助けてくれ~~」
雪山に悲痛な叫びが響く。
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