第二章

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その頃、十河はというと… 十河「………」 道の真ん中に立っていた。 十河「…何で?」 少し考えると、神流の鏡の事などを思い出した。そして、一人頷いていると、突然何かが焦げたような臭いが漂って来た。その臭いのする方を見ると、黒い煙りが見えた。 十河「…!」 十河はそちらに走り出した。 意外にその場所は近かった。どうやら、村が何かに襲われたらしい。 ?「キャーーーーーーー」 悲鳴が聞こえ、そちらに向かった。建物の陰から覗いて見ると、男達が道の真ん中に集まっている。 ?「お願いです。命だけは。この子だけは」 よく見ると、男達の集まっている中心におばあさんと女の人がいるようだ。 多分、俺達と年はあまり変わらないと思う。それと、どうやらこの男達は盗賊のようだ。十河は気付かれないようにしながら、弓矢の用意をする。だが、用意している間に… 盗賊「うるせー、ババア!そこで死んでな」 男の剣がおばあさんに向かって振り下ろされた。 斬られた所から血が噴水のように飛び出し、そのまま倒れた。しばらくピクピクと動いていたが、やがて動かなくなった。 ?「おばあちゃん!」 女の人が近づいて体を揺するが、動かない。 盗賊「さあ。俺達と楽しい所へ一緒に行こうぜぇ~」 盗賊「俺達のアジトだけどなぁ~」 ギャハハハハハハと、笑い声が聞こえてくる。女の人は顔面蒼白になっている。吐き気がする。 十河は怒りがこもった目つきで盗賊をみて、人数を確認しながら、弓を引き絞る。人数は、三十人前後。 これなら、行けると思い矢を放とうとした瞬間。
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