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光明寺「そうか。それはすまなかった」
光明寺は頭を下げた。
十河「…気にしてない」
十河は短くそう言うと、村をあちこち見て回った。
光明寺「…何をしているんだ?」
十河「…他に人はいないの?」
十河は女の人に聞いてみた。
?「はい。私以外はみんな、殺されてしまいました」
十河「…………」
光明寺「…盗賊どもめ!」
光明寺は忌々しげに言った。
光明寺「…そういえば、助けてもらった礼がまだだったな。
え~っと……。
すまないが、名前を教えてくれないか?」
十河「…十河一夏」
光明寺「十河一夏か。いい名前だな。ありがとう。君のおかげで助かったよ」
光明寺はまた、頭を下げた。
十河「…別に、たいしたことはしてない」
十河はそれだけ言うと村人達の遺体を一カ所に集め出した。
そして、その作業が終わると近くの家の屋根に登り、弓に矢をつがえた。
十河「……………」
十河が風の力を矢に注ぐと緑色に輝きだした。
十河「…………!」
十河が矢を放つと、地面に大きな穴が開いた。
光明寺「…………」
?「……………」
二人共何があったのかわからないといった様子だった。
そんな二人を放って置いて、十河は死体を穴に入れていった。
その後、土をかぶせていった。
二人はようやく十河が共同墓地を作っていたことに気づき、作業を手伝い始めた。
作業が終わる頃には、もう夕方だった。
十河「…君はこれからどうするの?」
十河は女の人に聞いてみた。
光明寺「この子は私が保護する。私は一応この国の兵士だからな」
十河「…そうなんだ」
光明寺「言っておくが、君も保護対象なんだよ」
光明寺が言うと十河は首を振った。
十河「…俺は人を捜さなきゃいけない」
光明寺「その捜している人も、もしかしたら会えるかもよ。今から行くのは、この国の首都。バルトだからね」
十河「…………」
十河は少し考え、一緒に行くことにした。
光明寺「わかったわ。じゃあ改めて自己紹介を。私の名前は光明寺はやて。現役兵士だ」
?「私の名前は咲原優那です。よろしくお願いします」
十河「…十河一夏だ」
光明寺「じゃあ、とりあえず今日はここに泊まって明日行くことにしましょう」
もうすでに、夜のとばりがおりていた。
なので、出発は明日に持ち越しになった。
その頃、東郷はというと……
東郷「…zzZ」
寝ていた。
しかも囚人輸送車の中で。
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