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あれから東郷は早間に兵士の所へ連れて行かれ、そのまま首都バルトに輸送されることになった。
早間「…この状況でよく寝られるものだ」
早間は呆れたように呟いた。そして輸送車がいきなり止まった。
早間「何事だ!」
早間が叫ぶと兵士が一人走ってきた。
兵士「報告します!魔物に囲まれています。その数二十」
兵士は少し震えた声で報告した。
早間「そうか。種類はわかるか?」
早間は落ち着いた風に言ったが、額には汗が流れていた。
兵士「そこまでは…」
東郷「熊型が十、犬型が三、後は人型だな」
兵士が言い終わる前に俺は言った。
早間「お前、いつの間に…。いや、それよりなぜわかる」
早間はこちらに向いて、寝た格好のままの俺を見た。俺は起き上がり早間を見た。すると、早間の顔色が変わった。
早間「お前…、その目は…」
驚いたのも無理はない。俺の左目の色が黒から朱に変わっていたのだから。
東郷「そんなことはどうでもいい。それより、俺があいつ等を倒してやるよ」
早間「そんなことはしなくていい。この位の数なら、私達だけで充分だ」
早間は俺の申し出をきっぱり断った。
東郷「兵士は何人いるんだ?」
早間「五十人だ」
東郷「魔物との戦闘経験のある奴は?」
早間「二十人だ」
東郷「お前は経験はあるのか?」
早間「ある」
東郷「犬型を知っている者がいるか?」
これが、一番重要なことだ。訓練や実戦をしていても、こいつに関しては知っていなければ戦え無い。
早間「いや。恐らくいないだろう。犬型というのは初めてだからな」
この答えに俺は思わず笑ってしまった。
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