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俺は刀の持って通路の真ん中に立ち、目をとじた。そして、神経を集中させた。
東郷「……………」
前から何かの気配がする。間違いない、魔物の気配だ。
東郷「……………」
魔物「……………」
魔物は何かを感じたのか、なかなか動かない。当然俺も動けないので、立ったままだ。しばらく音が無い状態が続いたが、
魔物「…………っ」
魔物が遂に襲ってきた。俺は更に神経を研ぎ澄まし、刀を構えた。そして、魔物が噛みつこうとした瞬間、刀を抜きはなった状態で、俺は魔物の後ろにいた。そして、一拍置いて、魔物は横一文に切断された。俺は刀を軽く振り、鞘に戻した。
東郷「………ふぅ」
五十嵐「お疲れさん」
五十嵐が飲み物を持って来てくれた。俺はそれを受け取り、飲んだ。
五十嵐「しかし、お前の居合いは相変わらず凄いな」
東郷「いや、まだ未完成だ」
五十嵐「あれでか!いやはや、何というか」
そこで、俺は十河が魔物の死体を調べているのに気づいた。
東郷「…何かわかったか?」
俺は十河に聞いてみた。
十河「…これ、違う」
五十嵐「何が違うんだ?」
十河「…無理やり魔物にされてる」
東郷「…何だって?」
俺は信じられなかった。今十河が言ったのは、普通の犬を無理やり魔物にしたということなのだ。
東郷「…本当か?」
俺はもう一度、確認した。
十河「…普通魔物の皮膚はどの生物にも似ていない。なのにこの魔物の皮膚は犬と、同じ」
東郷「でも、誰がこんな事を?」
十河「…それは、わからない」
十河は首を振りながら答えた。
十河「…でも、先に進めばわかるかもしれない」
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