第一章

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俺は刀の持って通路の真ん中に立ち、目をとじた。そして、神経を集中させた。 東郷「……………」 前から何かの気配がする。間違いない、魔物の気配だ。 東郷「……………」 魔物「……………」 魔物は何かを感じたのか、なかなか動かない。当然俺も動けないので、立ったままだ。しばらく音が無い状態が続いたが、 魔物「…………っ」 魔物が遂に襲ってきた。俺は更に神経を研ぎ澄まし、刀を構えた。そして、魔物が噛みつこうとした瞬間、刀を抜きはなった状態で、俺は魔物の後ろにいた。そして、一拍置いて、魔物は横一文に切断された。俺は刀を軽く振り、鞘に戻した。 東郷「………ふぅ」 五十嵐「お疲れさん」 五十嵐が飲み物を持って来てくれた。俺はそれを受け取り、飲んだ。 五十嵐「しかし、お前の居合いは相変わらず凄いな」 東郷「いや、まだ未完成だ」 五十嵐「あれでか!いやはや、何というか」 そこで、俺は十河が魔物の死体を調べているのに気づいた。 東郷「…何かわかったか?」 俺は十河に聞いてみた。 十河「…これ、違う」 五十嵐「何が違うんだ?」 十河「…無理やり魔物にされてる」 東郷「…何だって?」 俺は信じられなかった。今十河が言ったのは、普通の犬を無理やり魔物にしたということなのだ。 東郷「…本当か?」 俺はもう一度、確認した。 十河「…普通魔物の皮膚はどの生物にも似ていない。なのにこの魔物の皮膚は犬と、同じ」 東郷「でも、誰がこんな事を?」 十河「…それは、わからない」 十河は首を振りながら答えた。 十河「…でも、先に進めばわかるかもしれない」
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